(一)この世界ごと愛したい






「…遅くなって、悪い。」



そう切なそうに呟くるうに、掛ける言葉が見つからなかったので。





「大丈夫だよ。」




私はそっとるうを抱きしめた。




るうの肩の力が徐々に抜けていくのが分かる。


心配かけてごめんね。




「大丈夫?」


「なんで俺が心配されてんだよ。」



本当だと、思わず二人で笑って。




私はるうから離れてとりあえずここから出ようと思ったけど。気になることがあった。




「…ここどこ?」


「王宮内ではあるけど離れの塔だから見つけるの遅くなって、ごめんね。」


「塔?」



あ、屋上からなんか見たことはあるかも。





「ここ何階?」


「五階。」


「…飛び降りなくてよかったー。」




勢い任せに窓から飛び出てたら、もう生還は無理だったかもしれない。



どちらにしても最悪だったのか。






「騒ぎには?」


「なってないような、手遅れなような。」


「人数が多すぎたね。マリナ様は?」


「分からない。」




間に合うのなら…。




マリナ様を保護しないとまずいな。