(一)この世界ごと愛したい





つまり、まな板の上の鯉に等しい。




「マリナ様、この際だからはっきり言いますけど。私を殺してしまうと陛下がお怒りになりますよ?」


「陛下は私が泣き落とせば許してくださるわ。」




うわ、陛下の信仰心知らないな!?


私これでも神で話通ってるんで、簡単には許してもらえないよ!?





「私を許さないのは、エリク様でしょうね。」


「…それは…。」



確かに。


エリクは阿呆だからな。




「しかし、私はこれでもあの方の妻ですから。」


「…はあ。」




あのエリクだぞ?


妻ならエリクの残忍さも知っているだろうに。私が死んだ後のその憤りが容易に想像出来るよ。





「あなたの亡き骸は、せめてアレンデールにお返しするよう私が頼んで差し上げます。」


「っ!」




旦那が旦那なら、嫁も嫁だ。


この夫婦は狂ってる。



アレンデールへ亡き骸を届けるなど、尋常な精神では思い付きもしない。