「すみません、意味がよく分かりません。」
「私がここにいた頃は、皆が私を愛してくれたのに。あなたが現れたりするから。ここには私を求める人がいなくなっていた。」
それはご愁傷様です。
でもさ?私だって別に愛されてないよ?
異常な信仰心のあるセザール王とかエリクとかはとりあえず置いといて。
「あなたのような野蛮な姫が、何もかも手に入れるのが我慢ならないの。」
「…私に、どうしろと?」
「あなたを殺して、私が再びこの王宮の中心に返り咲く。」
物騒だよー。
殺してってあっさり言わないでー。
「私を、殺す…と。」
「戦神でも死が恐ろしいの?」
「いえ、それは別にいいんですけど。」
私が憂いているのはその後の話だ。
私を殺すとなるとまず陛下もエリクも黙ってはいないし。るうも荒れ狂う。
「お勧めはしませんね。」
「随分余裕ね。」
「どちらかと言うとあなたのためです。」
「馬鹿にしないで!!!」
急に声を荒げたマリナ様。
そのまま立て掛けてあった短剣を、私に向けて振る。
ツー。
頬に血が流れる感覚がする。
そんなに痛くはない。
短剣でよかったと私は思わずホッとする。

