(一)この世界ごと愛したい




もちろんどうぞと、私は答える。


私はこのキッチンに何があるかなんて知らないけど。好きに漁ってくれて構わない。




マリナ様は優雅な手つきで、お茶を作り始める。


まじで淑女だ。これぞ姫だ。



その様になる姿から一旦視線を外し、レーダーの範囲を広げられないか探ってみる。





「…リン様も、よろしければどうぞ。」


「ありがとうございます。」



るう以外にお茶入れてもらうなんて、なんか新鮮だ。





私は少し嬉しくなって、そのお茶を口に運ぶ。




…おいしいー。




なんて呑気なことを考えていると、すぐに身体に異変が起こる。






「ん…?」



身体が、重い。


私はここでようやく何か盛られたことに気付く。







綺麗な女の人だから油断したー!!!




と後悔しても始まらない。


意識が徐々に遠のく感じがする。





まずいまずい。


何かあったことだけでも、せめてるうに伝えることが出来れば。




るう、後はよろしく!!!





「っ!!!」







私は薄れゆく最後の意識の中で、自分の剣を思いっきり床に突き刺した。




どうせ、剣は奪われるだろうし。


奪われるくらいなら、使っておこうと思いました。