マリナ様に捕まって?
いやいや、言い方悪いな。
マリナ様に介抱させられて?これもどうなんだ?
けど、昨日の今日で別の男性に飛び込んでいける彼女も本当にすごい。逞しいハートの持ち主だ。
それを聞いて、レンは嫌な気持ちにならないだろうか。
「るうは後から来ると思うから、ここで待っててもいい?」
「断る理由がないよ。」
そう嬉しそうに笑うレンを見て、私もつられて笑う。
「でも入り込んだなんて、どうして分かるの?」
「私にはるうお墨付きの広範囲レーダーが搭載されています!」
「え、何それ。」
「って言っても、明らかに悪い人とか敵意がある人にしか反応しないんだけどねー。」
敵意がなくてもあまりに近くにいると今度は気配を察知しちゃうから、結局は気付けるんですけどね。
私優秀すぎるね。
「君は本当に多才だね。」
「伊達に暇な人生送ってないですよー。」
これは本当に。
城から出られない、遊ぶ場所もない、相手もいない。だからこそ、その分“人”に敏感になった。知識を蓄えることも出来た。
今となっては有り難い才能ですよ。
「だから俺が屋上に行くといつもバレるんだね。」
「あー。それは半分はそうだけど、もう半分はこの部屋だよ。」
「部屋?」
「レンが近くにいると、この部屋の香りがするの。」

