声を掛けるかどうか迷っていると。
るうがどうにかしろと目で訴えているのに気付いた。
「……。」
よし、置いていこう。
私は手遅れかもしれないが、弓矢が飛んできた方向へ足を向ける。
「リっ…!」
置いて行かれたるうが、何か声を漏らしていましたが。私の探究心は別方向を向いています。
ごめんね、るう。
「この辺りかな?」
淡々と王宮屋根に登る私。
この身軽さは本当に便利です。
「……。」
まあ、狙い撃ちするには悪くない場所。
だけども疑問だ。
辺りには特段何もなく。ここをマリナ様が通ることをどうして知り得たのか。
マリナ様でなくても、誰でもよかったのか。
…そして、殺気らしい殺気はなかった。
「きな臭いなー。」
用が済んだ私はヒョイっと屋根から飛び降りて、再び目的地であるレンの部屋へ向かった。
コンコンとドアを叩くと、驚きつつも部屋へ入れてくれたレン。
「急にどうしたの?」
「んー。なんか変なのが王宮に入り込んじゃったみたいだから、心配で見に来たの。」
「一人で?」
「…るうも、いたんだけど。」

