(一)この世界ごと愛したい




レンにも自由はないのかもしれないけど。


それでも私と違って、外の世界に飛び出そうと思えば飛び出せる。



逃げようと思えば、逃げ出せる。





「…じゃあ俺は…」


「レン様っ!」




レンが何かを言いかけた時。


マリナ様が走ってレンを追いかけて来た。






「レン様、私っ…!」


「はぁ。兄上のところに戻って。何度も言うけど俺には迷惑だから。」


「っ…。」



おっと、私邪魔か?



席を外した方がいいかもと私が後退りすると。そんな私の手を握って、レンがそれを阻止。




…ここにいろって言うの!?




「…レン様は、私がお嫌いですか?」


「嫌いも何もお互い相手がいるんだし。俺は姫を大事にしたいからって、何度も言ってるんだけど。」




ほうほう。


つまり、マリナ様の片想い。



…切ない!!!




「リン様は他にも大事な方がいらっしゃいます。このままではレン様がお可哀想です。」



んん!?


私他に大事な人いたんだ!?




いや、そりゃいるけどさ。


家族とか、ハルやるう。アレンデールの人達。セザールだとアキトやトキ。



…レンだってそうです。




私は確かに大事に思ってますけど。