(一)この世界ごと愛したい





「レン様…。」



と、マリナ様が悲しそうにしておられますが。




レンに熱い視線を送ってる気がする。


マリナ様の結婚相手コレだもんね。分かる。嫌なのはすごく分かるよ。




でもごめん!私も無理なの!!!





「ふっ…。今は意味なく二兎を追えばいい。」


「……。」



二兎を追うものは一兎も得ず。


そう言いたいのかなと思ったのは私だけではないはず。



…ただ残念ながら私追われてません。




「話は以上なら失礼します。姫行こう。」


「…はい。」



私はレンと共に広間を出る。






「……。」


「……。」



謎の無言です。


けどたぶん私の部屋に送ってくれようとしてるんだろうなと、方向で分かる。






「姫。」


「なに?」


「俺、マリナとは何もないからね。」


「うん?」



呼び捨てで。


キスもして。



何もないと言われても。






「私は大丈夫だよ?」


「…だよね。」


「レンはレンの思うようにしたらいいんだよ。」