それにしても、なんでレンはマリナ様がそんなに苦手なんだろう。
あんなに綺麗な人なのに。
「上から絡まれてんの見えたからな!俺に感謝しろよ!」
「上から…え、いつから?」
レンは少し顔を曇らせ私を見る。
私は何も見てません。知りません。存じません。
「ついさっきだよ。」
「…そっか。」
「お?さては何かされたか!?」
アキトもう黙ってくれー!!!
「あ、アキト。とりあえずもう行こう!?」
「なに焦ってんだお前。」
「焦ってないけど!?」
私はとにかくアキトを引っ張りこの場を離れる。
もちろんレンは中庭に置いて。
そのままアキトを王宮の入口まで連れて来た。
「なんなんだ?」
「とにかく!トキにお礼とまた次会った時に詳しく話聞きたいって伝えといて!」
「ああ、それはいいけど。」
アキトは明らかに私を怪しんでいる。
「お前、あの女には気を付けろよ?」
「マリナ様のこと?」
「そうそう。」
「すごく綺麗で優しくて、綺麗な人だよね!」
綺麗が二回入ってると、アキトは笑って。
けど、すぐに真剣な顔になる。
「綺麗は確かにそうだが、優しいかは怪しいところだ。意外と狡猾な女かもしれねえぞ。」
「…狡猾?」
「ま、ここに住んでた頃からやたらレンに絡んでたから。気にしてやれよ。」
「……。」
いや、さっきキスしてたけどね!?
レンも別に嫌そうにしてなかった気がするけどね!?
「ケースバイケースかな。」
「お前はレンに厳しいなあ。」
「厳しくないですー。嫌なら嫌だってちゃんと言ってくれたら助けてあげなくもないけど。もしかしたらレンも喜んでるかもしれないじゃん。」
「…確かに。それもそうか。」
そうだよー。
私は聖人君子じゃないんだよー。

