(一)この世界ごと愛したい




「それにアイツも戦前でバタバタしてるし、たぶん無理だろうなあ。」


「そっかー…。」



しょんぼりと。


肩を落とす私です。



また次会った時に色々聞こうと思い、今回はちゃんと諦めることにしました。





「アキトわざわざありがとね。」


「まったくだ!俺をパシリにしやがって!」




アキトはプンプンして、私の手を掴む。


意味が分からず首を傾ける私を見て、アキトはあのニヒルな笑みを浮かべた。






「浮気現場、押さえに行くぞ。」


「…はい?」



それはつまり中庭に行くってこと!?




「じゃあルイ!リン借りてくぞー!」


「ちゃんと返せよー。」


「ちょっと待って!なんで私も行くの!?」




るうはきっと面倒だと思って逃げたな。


私だってめんどくさいの嫌なんだけど!?



アキトは知らないだろうけど、さっきキスしてたからね!?そこに突撃なんて野暮なことしたくないよ!?