そんな私の部屋のドアを叩く音が響く。
「リンー!俺だー!」
「アキト?」
ドアの向こうから私を呼ぶアキト。
私はすぐにドアを開けてアキトを部屋へ招き入れる。
…あ、しまった!
カーテン閉めてない!!!
「ん?あれレン…と。」
アキトは窓際にある椅子に座ってすぐ、中庭にいるレンを視界に捉えた。
同時にマリナ様も発見。
先ほどキスした二人だが、今はもう離れていて。ただただ仲良く話をしているだけに見える。
「あれエリクの嫁か!?」
「アキトうるさい。」
「レンの野郎浮気か!?」
「あーきーとー。」
騒ぎに騒ぎまくるアキトを何とか落ち着かせる。
「リンいいのかあ?」
「それよりトキから何か預かってるんじゃない?」
「…それよりって。てかなんで知ってんだよ。」
トキはきっと、私に丘の防衛陣の布陣を見せてくれるだろうと思っていた。
そしてそれは、私が待ちに待ったものだ。

