(一)この世界ごと愛したい




部屋に戻り、剣を置き。


ふと中庭へ目を向ける。





「……。」




そこには、レン。


そして、またもやマリナ様。



マリナ様って神出鬼没だな。




二人は何やら話している。


マリナ様は嬉しそうに、ニコニコと綺麗な笑みを浮かべていて。




「…絵になるなー。」



と心から思った。



美しいマリナ様はもちろん、レンも綺麗な容姿をしているせいか。


二人が並ぶ姿がもう、何とも眩しい。





「…ほらよ。」


「ありがとうー。」



るうからコーヒーを受け取り、私はそれをいただきながら絵になる二人を眺める。





「…あ。」



マリナ様が躓き、体勢を崩したので私は思わず声が漏れる。



しかし、それをレンはしっかり受け止めてあげて。


転ばなくてよかったと私は少しほっとした。








そしてマリナ様は、そんなレンに。





そっと、キスをした。