(一)この世界ごと愛したい




それから昼食を食べて。


とりあえず私とるうは、戦前に兵たちの様子を見ようという話になり隊舎へ向かう。




…その行く道で。





「あら、リン様?」



と、早速現れたマリナ様。


その立ち姿がもう美しいです。はい。




「またお会いできて嬉しいです。…っ!!」




マリナ様は私に声を掛けた後、私の隣にいるるうに目を向けて驚いている。




「あなたは…?」


「ルイです。」


「ルイ…様。リン様のお付きの方ですね。私、マリナと申します。どうぞよろしくお願いいたします。」




極上の笑みでるうに挨拶をするマリナ様。


綺麗!本物の花みたい!!!



と内心テンションの上がる私とは打って変わり、るうは無表情のまま。




「これからお時間ございますか?」


「えっ?」


「よろしければお茶しませんか?」



うう、女子っぽい!!!


お茶のお誘いなんて私アレンデールでもあんまり経験ないよ!?




「すみません、これから兵舎に向かうところで。また後日。」


「まあ、それは残念です。」


「では。」



るうが勝手に断った。


そしてるうは私の腕を引っ張り、歩みを進める。







「…ね?綺麗だったでしょ?」


「あ?普通じゃね?」




あれがエリクの奥さんだよと勝手に紹介した私に、るうはケロッと言って退ける。



普通なわけあるか。


あれが普通なら私はどうなる!?








「私が男だったら絶対あの人お嫁さんにしたい。」


「俺はお前がいい。」




…どんな感性してんだよ。