悲しい…とは。
元々、お互いに迷惑な結婚話を聞かされて。
勝手に進んでいって、そんな今日を迎えているのが現状で。
でもその中でレンと一緒に過ごした時間は、今では迷惑だとは思えない。
そんなレンが、もう会えなくなるから悲しいのだと。
「……私は…」
私が口を開くとほぼ同じタイミングで、部屋のドアが開き。
るうがおつかいから帰ってきた。
「ただいま。」
「おかえり、るう。」
私は再度レンに目を向ける。
「…薬のことは任せて。」
「う、うん。」
何も言わなくていいと言わんばかりに、レンはすぐに自室へ戻ってしまった。
「そういや、なんの集まりだったんだ?」
「なんかエリクの奥さんが帰って来たんだって。」
「へー。」
るうも絶対びっくりするぞ。
あのめちゃくちゃ綺麗なお姫様見たら。
「エリクには勿体ないくらい綺麗な人だった。」
「ふーん。」
「るう興味ないのー?」
「ねえよ。」
そんなこと言ってー。
実際見たらそんなこと言えなくなるぞー。

