私は不安な気持ちを抱えたまま。
レンと一緒に、るうの帰りを待っていた。
「そう言えば研究どう?」
「もう少し…な気はしてるけど、まだ完成とは言えないかな。」
「そっかー。」
逆にもう少しなのが凄い。
やっぱりこの国の医療の技術は、私の想像を遥かに超えるものなんだろう。
「ありがとね、レン。」
「薬が完成したら…。」
「ん?」
「君とは会えなくなる…か。」
妙に的を得たレンの言葉。
それは確かに、そうなるのかな。
ハルが目覚めてくれるなら、私がここで奮闘する意味がない。
ハルはきっと、全てを打ち破ってくれる。
「…そうなるかもしれないね。」
「君はどう思う?」
「どうって?」
「少なくとも俺は、悲しいよ。」
その紺碧の瞳が、悲しみの色を示す。

