(一)この世界ごと愛したい




それから、レンは薬草のお世話に。


るうも買い出しに行くと言うので、私は部屋に一人残っていました。




戦のことも大体固めることができて安心したと同時に、まだまだ問題はある。



南のノイン将軍の出方も気になるし、エリクの策も読みきれないまま。


さらにヨーク将軍にも、極力迷惑がかからないよう立ち回りたいし。





「…はあー。」




こんなに一人で悶々と考えなきゃいけないなら、やっぱりトキだけ残ってもらえばよかったな。




私がここから出られたら…なんて。


考えても仕方ないこと。





けど、アキトが言ってくれた。



『また気が向いたら外に出してやるよ。』




アキトは知っていたのかな?


それが私にとってどれほど嬉しい言葉か。







「うー…。」



本当なら私もるうと一緒に買い物に行って、色んな物を見たり買ったりしたい。



楽しいだろうなー。