(一)この世界ごと愛したい




アキトとトキの帰宅後。


見送った私の前に、怒りを露わにしたるうとレンが立ち塞がっている。




「お前いい加減にしろよ。」


「君には節度がないの?」




あーあ。


私もこっそり王宮抜け出して、二人について行けばよかったかな。





「あのまま本当に泊まってたらどうすんだよ。」


「トキの防衛陣の意見聞けたし、細かい擦り合わせもできたかな?」


「別日でいいだろ。」




お腹すいたなー。


今日のご飯なにかなー。





「お前反省してねえな?」


「…もう誘わない。はい、これでいい?」


「ヤケクソか。」




だめだ。


非常にめんどくさくなってきた。



未だにグチグチ言ってるるうとは打って変わって、レンはもう怒ってないようにも見える。




「るう怒ってばっかりだねー?」


「誰のせいだ!?」


「もういいじゃん。トキも帰ったんだし。」


「…ったく。」




るうの根負けで、話は終わりました。