とりあえずここは一安心。
「リンー?」
「はいー?」
トキが私を呼んでいます。
実はさっきからトキは私の用意した基盤と睨めっこをしていて、何やら考え込んでいた。
「この丘、詳しく聞いていい?」
「うん。」
私の知る範囲で、丘について説明する。
トキは恐らく防衛陣の組み方を考えていることはなんとなく分かる。
…アキト軍の軍師は伊達ではない。
「あーあとここも。」
「はーい。」
数々の情報を私から抜き出す。
私にはこの状況が何とも新鮮で楽しくもある。私はいつも策は自分一人で練るタイプの将だったから、誰かと策を考えるなんて。
自分以外の違う意見を聞けることが、こんなに面白いことだとは。
「…おい、トキ。その辺にしとけ。」
「えーリンもう少しいいでしょ?アキトは先に帰ってなよ?」
そう言われたアキトは深く息を吐く。
「じゃあトキ、泊まってく?」
「え?」
「「はあ!?」」

