「大丈夫だよ?」
「…いや、それは…うん。」
「え、なになに?」
レンはどこか伏し目がちで。
「リン、レンの気持ちも分かってやれよ?」
「うん?」
アキトがそう言うけど、私分かってるつもりで声を掛けたんですけどね?
最初の戦はそりゃ誰だって不安だよ?
「ねえ、ルイ。」
「あー?」
「なんでルイは止めないの?」
レンがるうを責めるように言った。
止める…とは?
「…どうせ言っても聞かねえし。」
「え、私のこと?」
私を止めるってことか!?
私が止まったら負けちゃいますけど!?
「敵地のど真ん中を襲撃しに行くなんて、正気の沙汰じゃない。」
「ああ、俺もそう思う。」
「何かあっても誰も助けてあげられない。」
「そうだな。俺以外無理だな。」
普通なら第一に大将である自分の身を案じるところで、私の心配が出来るっていうのがすごいよ。
最早才能だよ。
「姫に何かあったらどうするの?」
「何もないようにすんのが俺の役目だ。」

