(一)この世界ごと愛したい





ここでようやく座っていたるうが動いて、私の傍らまでやって来た。






「…死なせねえよ。」


「分かってるよ。私も簡単にはやられませんー。」




るうの想いは、ちゃんと伝わってる。





「てか夜襲ってお前経験あったか?」


「ない!やろうと思ったこともないっ!」


「…おいおい。」


「大丈夫じゃない?ちゃちゃっと敵将見つけて斬ったらいいんでしょ?」




ついでに側近たちも…と欲が出るが。


それは状況見てからかな。




「そんな簡単な話か?」


「少なくとも私向きではあるかなーと思ってるよ?」


「…まあ、確かに。」




敵を察知するレーダー搭載!


軽やかな身のこなし!



一撃必殺の早業!!!





「出来ない要素が何もない。」


「コラ、調子乗んな。」




るうと話しているのを、聞いてる三人。


そしてここまで何も言葉を発していないレンに、私は目を向ける。





「レン?」


「…ん?」




不安の色が滲み出ているその瞳。



初陣だもんね。


それがこんなぶっ飛んだ策だもんね。不安な気持ちはお察しします。