ここでようやく座っていたるうが動いて、私の傍らまでやって来た。
「…死なせねえよ。」
「分かってるよ。私も簡単にはやられませんー。」
るうの想いは、ちゃんと伝わってる。
「てか夜襲ってお前経験あったか?」
「ない!やろうと思ったこともないっ!」
「…おいおい。」
「大丈夫じゃない?ちゃちゃっと敵将見つけて斬ったらいいんでしょ?」
ついでに側近たちも…と欲が出るが。
それは状況見てからかな。
「そんな簡単な話か?」
「少なくとも私向きではあるかなーと思ってるよ?」
「…まあ、確かに。」
敵を察知するレーダー搭載!
軽やかな身のこなし!
一撃必殺の早業!!!
「出来ない要素が何もない。」
「コラ、調子乗んな。」
るうと話しているのを、聞いてる三人。
そしてここまで何も言葉を発していないレンに、私は目を向ける。
「レン?」
「…ん?」
不安の色が滲み出ているその瞳。
初陣だもんね。
それがこんなぶっ飛んだ策だもんね。不安な気持ちはお察しします。

