それはもう和気藹々と。
トキと少し打ち解けられた気がして、私は心の底からほっとしている。
「なんで俺がわざわざレンの女を!?」
「そんなこと言って。隙あらば掠め取ろうとしてるのバレバレだよ?」
「ああ!?んなわけねえだろ!?」
アキトは、トキを追いかけ回している。
楽しそうで何よりです。
「あ、トキもう一つお願いがあるんだけど。」
「えーもうこれ以上面倒なのは嫌だ。」
「そうじゃないよ。もし仮に私が敵将討ち損ねたら、アキト軍はレンを連れて最速でセザールに戻ってほしいの。」
万が一の話。
私が失敗すれば、本当にただただエリクの好きに蹂躙されるのを待つだけの丘だ。
だからせめて、セザールへさえ帰国が叶えば運良くエリクの手を免れる。
「…城は?」
「私が生きてたら次の日に落として帰るけど、死んでたらクロード将軍に任せてあるから心配ないよー。」
「…サラッと言うね。」
「上手くいくかは正直分かんないよ。敵将のことも私よく知らないし。化け物みたく強かったら、その時はもう潔く…と思ってます。」

