(一)この世界ごと愛したい





そこで、アキトが口を開く。



「俺も夜襲混ぜろ!!!」


「それは無理。」


「なんでだよ!?」


「こっちにはエリクの間者もいる。味方にも悟られたくないの。それにあの城壁、アキトには登れないでしょ?」




そう。


夜の帳に身を隠しつつ城壁を越え、敵将のいる城の中まで極力敵にさえ見つかることさえ許されない。




「お前らは登れんのか?」


「私が空を舞ってみせましょう。」




…それは嘘だけども。


そんなことは出来ないけども、ある程度身のこなしは軽いと自負してます。


私が先に登ってるうを引き上げればいい。







「お前やっぱ神なのか!?」


「はいはい。そのノリはもういいよ。ってことだからアキトは大人しくお留守番ねー。」


「くっ…行きたかった。」



もうトキは理解の範疇を大幅に超えた私の策を、若干呆れているようにも見える。






「俺は時間を掛けてでも正攻法で行くべきだと思う。第一王子から俺らで隠れ隠れやってれば難なく終わるはずだけど?」


「…エリクは恐らくディオンと内通してる。私たちにこれ以上の援軍は望めないけど、ディオンはそうじゃない。だからそもそも詰んでるこの基盤では、もう正攻法は使えない。」


「もうあの王子マジであり得ない。」