(一)この世界ごと愛したい




城攻めをする戦いで、丘取り合戦をしてほしいと頼む私を疑いの目で見るトキ。



「伏兵がいる可能性は大いにあると思う。あと、奪取したらすぐに丘を天然の要塞にしてほしい。」


「…待って、もう理解出来ない。」



要は、丘を最短で砦化してほしいのです。


城を砦と化されたなら、こちらも砦で返すという私の奇策。





「防衛戦は得意?」


「…出来なくはない。けど意図が読めない。城を落とせば勝てる戦で、こっちが防衛に出るって…何それ。頭どうなってんの?」




…そうだった。


アキトはトキにエリクのこと話してないんだっけ。





「…アキト、話しても大丈夫?」


「俺はレンがいいなら別に構わねえ。」



アキトはレンを気にして伝えなかったのか。


どこまでも律儀だな…。





「兄上のことなら、別に気にせず話してくれていいよ。そうじゃないとトキも困るでしょ?」



と、レンも言ってくれたので。





「…この丘を要塞と化して、何らかの手で攻めてくるエリクからレンを守ってほしいの。」


「……。」


「防衛陣が完成次第、アキト軍は丘に全配置してもらっていい。とにかく砦化までは敵はもちろん、味方にもあんまり気取られたくない。」