(一)この世界ごと愛したい





敵が南にいると分かった以上。


南に勝機は期待出来ない。





分かってる。


戦において、全ての兵は救えない。





それでも策を講じる立場からすれば、南に配置する兵たちを憐れまずにはいられない。






「るう。」


「ん?」




「…私、絶対勝つからね。」




それが犠牲になる兵たちへの、せめてもの償いだ。






「…ああ。」


「明日アキトと話す時が本命の策なので。二人ともよろしくねー。」


「…それにしても。お前にしては、やっぱかなり苦戦してんな。」


「そんなこと言わないでよー。」




この戦のことを、るうが指摘する。


これでも必死に頑張ったし!考えて考え抜いた結果だし!









「…ごめん。」




レンが不意に、謝った。




ほら見たことか。るうがそんなこと言うからレンが責任感じて落ち込んでるじゃん。




「るうのせいだよ。」


「は?てか今更かよ?」


「本来俺がやるべきことを、全部君に押し付けてることは分かってるから。」





おいおい。


盛大に勘違いしてますね???






「あのね。この規模の戦でさらに初陣で、それだけ平常心でいてくれるのは最早心強いから。」




もしも、これが私の初陣だって考えたら。私絶対吐いてますよ。