敵が南にいると分かった以上。
南に勝機は期待出来ない。
分かってる。
戦において、全ての兵は救えない。
それでも策を講じる立場からすれば、南に配置する兵たちを憐れまずにはいられない。
「るう。」
「ん?」
「…私、絶対勝つからね。」
それが犠牲になる兵たちへの、せめてもの償いだ。
「…ああ。」
「明日アキトと話す時が本命の策なので。二人ともよろしくねー。」
「…それにしても。お前にしては、やっぱかなり苦戦してんな。」
「そんなこと言わないでよー。」
この戦のことを、るうが指摘する。
これでも必死に頑張ったし!考えて考え抜いた結果だし!
「…ごめん。」
レンが不意に、謝った。
ほら見たことか。るうがそんなこと言うからレンが責任感じて落ち込んでるじゃん。
「るうのせいだよ。」
「は?てか今更かよ?」
「本来俺がやるべきことを、全部君に押し付けてることは分かってるから。」
おいおい。
盛大に勘違いしてますね???
「あのね。この規模の戦でさらに初陣で、それだけ平常心でいてくれるのは最早心強いから。」
もしも、これが私の初陣だって考えたら。私絶対吐いてますよ。

