(一)この世界ごと愛したい




「当たり前だ。何言ってんだお前。」


「いや一応、気になって。」



るうとレンが小競り合いしてる中。


悪いが私の頭はそれどころではない。




ヨーク将軍には悪いけど、もう南門の戦は捨てるしかない。


捨てると言っても、やれるところまではもちろん頑張ってもらわねば北に敵が集中するのでそれはそれで厄介なんだけど。




私の確信したこの内輪の敵は、私の胸だけにしまっておこう。


そう思ったのは、エリクにしては杜撰すぎると直感で感じたから。



私なら、あんなボロを出す子を野放しにはしない。





『ノイン将軍。私を案じてくださるそのお気持ちは本当に嬉しいです。しかし、そもそも私が発端で起こった戦です。私も最善を尽くして戦いたいと思っています。』




私が言ったこの台詞。



この戦の発端が私だと知っているのは、限りなく少ないだろう。


そこになんの疑問も抱かないということは、ノイン将軍はエリクの陰謀が引き金になった戦だと知っているということ。






「……。」



この戦について考えた時に、まず私は北門を制圧するべきだと感じていた。


城の形状から、多少ではあるが北の方が攻めやすく守りにくそうに思えたから。




…北にクロード将軍を配置してよかった。