「…ってわけだから、薬が完成してハルが目覚めたって。正直お前には良いことはねえ。」
何故か偉そうにそう言うるう。
「だからって、治すべき患者を見過ごす医術師なんていちゃいけない。」
「…リンがほっとけなくなるわけか。」
るうがぼそっと呟いた言葉はレンの耳には届かない。
「…?」
「けどハルのことはよろしく頼む。リンにとってハルは唯一無二だ。お前のことは見逃してくれって俺からもハルに言っといてやる。」
「言わなくてもいいよ。」
「いや、仮にでもリンと結婚したなんてハルが知ったらレン諸共この王宮なんて一瞬で崩壊する。」
ハルなら本気であり得るから怖い。
レンはもう苦笑いを浮かべるしかなくなっていて。
「そういうわけだから…って、俺はここに何しに来たんだ。」
「本当だね。」
るうは自分自身に問いかけながら、レンの部屋を出て私の部屋へ戻っていく。
レンはそのまま、研究を続けながら一人で考えていた。
「この薬が完成したら、姫がいなくなる…か。」
そう思ってはいるものの、医術師としての仕事に誇りを持っているレン。
その手を止めることはせず、私を想いながらも。ただただ研究を続けていた。

