(一)この世界ごと愛したい




文句を言いにきたはずのるうが、何故かレンに励まされるという謎の現象。


こんなレンだから、るうもきっと心を許してしまうんだろう。




「…お前はえらく余裕だな?」


「まさか。姫に関して余裕なんてないよ。さっきの話でさえ、言った時はめんどくさいって顔に書いてたし。」


「作戦としては悪くねえ気もするが、なんせ相手がリンだ。そもそも一般戦術が通じねえ。」


「それでルイは、どうするの?」




るうは目線を下げて、考える。






「…とにかく今は戦だな。」


「それもそうか。姫は相変わらず作戦考え中?」


「いや、もう粗方固まってるだろ。日程も決まったし。あとは作戦の擦り合わせくらいだろうな。」


「もう決まってたんだ。」



大将のレンが何も知らないのは、完全に私が忘れているだけで。


後々ちゃんとお伝えします。




「エリクが絡んでる以上、リンには大きい被害はでねえから大丈夫だ。危ねえのはどっちかっつうとお前だな。」


「負けるわけには行かなくなったからね。」


「元々そういう戦だろ。」


「今日リンが兄上に、負けたら私をお好きにどうぞって言ってるの聞いたら、死んでも負けたくないと思った。」




それを聞いてるうは私に呆れる。


敵に塩を送るようなことをするなと。




「でも確かに負ければそうなる。」


「兄上の性格上、姫を側に置けばいよいよ姫は本物の鳥籠の中だ。」


「…お前、間違っても討たれるなよ。」


「努力はするよ。」





もう一度言いますが。


るうはここに文句を言いにきたはずが、気が付けば二人で一致団結。



世の中不思議なことがありますね。