(一)この世界ごと愛したい




私の知らないところで。


レンの部屋のドアを叩くるう。





「…ルイ?」


「ちょっと話がある。」



部屋の中にるうを通したレン。


るうは何度かこの部屋には出入りしたことがあるので、躊躇いもなくソファーに座る。




「調子は良さそうだね。」


「お陰様で。」


「で、どうしたの?」



レンはなにか調薬の作業をする手を進めながら、るうに問いかける。





「リンに余計なこと言っただろ。」


「余計なこと?」


「婚儀終えたからって、リンはお前のもんじゃねえってことだ。」




レンは思わず、手を止めた。





「…驚いたな。」


「あ?」




「ルイにまで効果があるとは思わなかった。」




レンはそう言って少し笑った。


レンは私が端折って説明しなかったエリクとの件を話して、話を少し補足する。





「…だとしても、だろ。」


「否定はしないよ。」








「リンを縛ろうとすんな。」




るうは切実にレンに訴る。


それが私のためか、るう自身のためかは定かではないが。