(一)この世界ごと愛したい




大好きなシロに会えて、テンションが急上昇している私は、わざわざ連れて来てくれたるうに改めてお礼を伝える。



それだけに収まらず、るうに飛び付こうと手を伸ばした。




…けど。



私はピタリと動きを止める。






『君をこうして、抱き締められるのは俺だけがいい。』




レンの言葉が、脳裏を過る。






「…レンのばか。」



伸ばした手を、私はそのまま下ろす。





「あ?」


「何でもない。るう本当にありがとう。」


「いやいや待て待て。何だ今の。」



レンのせいで変に考え過ぎて嫌になる。


確かに変だよねー。これまでの感じとか思い返せばるうはそりゃ不思議に思うよねー。





「レンがハグはダメなんだってー。」


「…ああ?」


「レンじゃない人とはダメだって怒られたのを思い出したの。」


「アイツ殺してやろうか。」



物騒だな、おい。


私の足の怪我やるうの今の風邪のことでも、恩があるだろうレンには。