(一)この世界ごと愛したい




彼の力をまだ測り兼ねている。



難しい状況に陥った場合の判断を、私が指揮するべきか。彼に任せるべきか。



彼だって、五万のアキト軍を指揮する凄腕の軍師に違いはない。


しかし本陣の指揮は、やはり完全に任せるには不安が残る。







「…難しい顔してんな。」


「あれ、起きた?」



ようやく目覚めたるう。


薬が効いてて今は楽なのか、起き上がり私の元へ歩いてくる。




「るうは寝てて。」


「これ以上寝れねえ。」




気持ちは分かるけど。


こんな時くらいゆっくりすればいいのに。





…眠りたくても眠れない日は近いから。






るうに許可をもらい、私は作成した伝達文たちを衛兵に託した。


これから大きく動き出す戦に向けて。






「で、決まったか?」


「四月三十日にしましたー。」