(一)この世界ごと愛したい





「…それで、何してんのレン。」


「何してんのはこっちの台詞なんだけど。」




私はレンに、余計なことをするなと怒ろうと思ったんだけど。


何故だかレンも怒っているようで。





「はい?」


「なんで兄上と二人でいたの?」


「好きで二人でいるわけないでしょ。私がここにいたら勝手に来たの!」


「それで、なんであんな状況になるの?」




あんな状況…とは。


エリクが私を抱きしめたあの一件ですね。





「知るわけないじゃん。というか、私は大丈夫なんだからわざわざ助けなくていいの!」


「…大丈夫なのがそもそもおかしいから。」


「私は自分で何とか出来るし、別にあんなの気にしなければ問題ないって話。レンが巻き込まれると私が動きにくくなるの分からない?」




まったく。


引き下がってくれたからいいものを。



あのまま剣を振り下ろされたらと考えると、考えるだけでも面倒だ。





「姫って無神経だよね。」


「いや、無神経はどっち!?私今日は剣忘れちゃったから反撃の仕様がなかったんだけど!?」




だから余計なことをしないでと伝えた。











「…他の男に抱きしめられてる君を見て、どうして俺が怒らずにいられると思うの?」





…はい?