(一)この世界ごと愛したい




レンにちゃんと謝れよと思ったが、素直に聞く人じゃないことはわかってるので言いません。




「…もうよろしいですか?」


「どうして姫はこう離し難いんだろう。」




知らねーよ!!!



もう武力行使で脱出しようと思った矢先、なにをとち狂ったのか。



エリクは私を抱き締める。





…うげー。


これは流石に抵抗したい。





「エリク様いい加減に…」


「っ!」



いい加減にしてくださいと。


私が言い切る前に、エリクの身体が離れた。








「…れ、レン…様。」



レンがエリクを掴み、無理矢理に私から引き離してくれた。





「お止め下さい、兄上。」


「貴様、誰に何をしているか分かっているのか?」


「…姫、大丈夫?」




いやいや。


めーっちゃ怒ってるよ、エリク。




心配すべきは私じゃなくてレン自身でしょう!?





「お前をここで斬り捨てても、私は罪には問われん。」




それはもう怒りで我を失ったエリクさん。


あらあら、剣まで抜いちゃって。




私、剣忘れたんだけど!?






「お前はこの国に不要な王子だからな。」


「そんなことを今更言われなくても、既に存じてますよ。」




あーもう、どうしよう?