(一)この世界ごと愛したい




「私は頑張らなきゃだね。」


「何をだよ。」


「るうが安心して帰ってこられるように、強く逞しくなるね。」




そっと、自分の心の扉に蓋をした。





「今より強くなってどうすんだよ。」


「いや、私なんてまだまだだよ。」




どうか、気付かないでね。





「お前はそのままでいいんだ。」


「私は早くハルを超えられるようになりたい。」


「…それは無理だろ。」




悲しみも、切なさも。


私はたぶん、これから乗り越えなければならなくなるけど。





「無理じゃないよ!私だってハルが寝てるこの二年間頑張ったし!」


「あいつの化け物加減知ってるだろ?」


「それでもいつか私はハルに勝ちます!!!」







もしも、その時が来たら。




私はもう、るうの宿木にはなれない。