(一)この世界ごと愛したい





るうの帰る場所?



私が?





「…?」


「アレンデールでもセザールでもねえ。リンの隣に、俺はいつでも戻ってくる。」




るうが私を抱きしめるけど。


何故だろう。



嬉しいはずなのに、泣きたくなる。





「…ねえ、るう?」


「ん?」




「るうは、自由になりたいって思わないの?」




ずっと抱えていた素朴な疑問。



るうは物心ついた時から、城にいて。


王族のお世話ができるように勉強して、訓練や経験を積んで来てて。



常に王族のためにと生きて来たはずだ。




「自由?」


「誰かに仕える生活じゃなくて、自分の思うままに生きたいと思わないの?」


「…考えたこともねえよ。」




考えたことないのもすごいな。




私は、アキトと視察に行ったあの日。壮大な海を見て、自分の世界の狭さに驚いた。


実は世界ってこんなに広いんだって、初めて思い知らされた。





「お前の横でお前を守って生きて行くって、俺は自分で選んで決めた。それが俺の自由だ。」



自信を持って、るうはそう言った。







…じゃあ、私は?


考えようと思ったけど、やっぱりやめた。





邪念はいらない。


人は迷えば弱くなる。