るうの帰る場所?
私が?
「…?」
「アレンデールでもセザールでもねえ。リンの隣に、俺はいつでも戻ってくる。」
るうが私を抱きしめるけど。
何故だろう。
嬉しいはずなのに、泣きたくなる。
「…ねえ、るう?」
「ん?」
「るうは、自由になりたいって思わないの?」
ずっと抱えていた素朴な疑問。
るうは物心ついた時から、城にいて。
王族のお世話ができるように勉強して、訓練や経験を積んで来てて。
常に王族のためにと生きて来たはずだ。
「自由?」
「誰かに仕える生活じゃなくて、自分の思うままに生きたいと思わないの?」
「…考えたこともねえよ。」
考えたことないのもすごいな。
私は、アキトと視察に行ったあの日。壮大な海を見て、自分の世界の狭さに驚いた。
実は世界ってこんなに広いんだって、初めて思い知らされた。
「お前の横でお前を守って生きて行くって、俺は自分で選んで決めた。それが俺の自由だ。」
自信を持って、るうはそう言った。
…じゃあ、私は?
考えようと思ったけど、やっぱりやめた。
邪念はいらない。
人は迷えば弱くなる。

