(一)この世界ごと愛したい





「君はお兄さんと仲が良かったんだね。」


「レンの兄弟関係が悪過ぎるんだよ。私はこれが普通だと思ってるもん。」


「確かに、俺が普通じゃないだけか。」



あんな兄弟じゃそうなるよねー。




「でも私から見たハルって、やっぱり特別なのかもしれない…とも思う。」


「特別?」


「とにかくハルをずっと追い掛けて来たからなー。」





来る日も来る日も。


ハルの背中だけを見て。


目指して追い掛けて。




でも、追い付けなくて。





「憧れの人なんだね。」


「どうしても認めてもらいたくて、私は戦で勝ちたいって言うより、ただハルに褒めてほしかっただけなんだよね。」



それが、いつからか戦神だのアテナの化身だの、そんな風潮ばかりが先走って行ってて。


私は足下を固められて、動けなくなっていた。







「実は今だってそうなの。ハルが目覚めた時に、頑張ったねって言ってもらえたら…私はそれでいいの。」