(一)この世界ごと愛したい





何故今、このタイミングで?


何故アキトが、私に?





「なっ、なに…!?」


「光栄に思え。」



お、思えるか!!!




アキトがおかしくなった?


それは元からか?



私の思考は一気にそっちに逸れる。








「止まったろ。」


「…あ。」



無理矢理にでも思考をズラされたせいで、私の目からはもう次の涙は流れていない。




「何があったか知らねえが、大丈夫なんだな?」


「う、うん。」


「ならもう俺の出る幕はねえな。」


「…ありがと?」



アキトは立ち上がると同時に私を立たせて。


ニヒルな笑顔を向ける。





「珍しいもん見れたし、やっぱ俺はラッキーだなあ?」


「っ!?」



な、なんか悔しい!!!





「俺は見回りの続きだ。」


「王宮の警護って将軍のお仕事なの?」


「んなわけねえだろ。バイトだ。金にならねえ戦引き受けた代償としてトキにやらされてる。」



しょ、将軍ってバイトするんだ。


五万の隊の頂点に立つ人なのに、陰でバイトとかしてるんだ。



てか、お金の件ってもう解決しませんでした?




「もうやらなくて良いはずが、トキの気が済むまでやってろって。」


「…大変だねー。」


「だからアイツは怒らせたら駄目なんだ。」


「私も分かった気がする。」