(一)この世界ごと愛したい





傘は差したものの思いの外雨が強く。


少し歩いただけでもう足元はびしょ濡れ。




「本当に大丈夫かなー?」



この雨の強さに、思わず心配の声が漏れる。


そしてそんな私が門に近付くと、門番がすぐに反応を示す。




「門からは離れておりますので、少し人を待っていてもよろしいですか?」


「かしこまりました。」



私を王宮から出すまいと、しっかり周知されているようで。


ご苦労様です。



私がその気になれば、門番二人くらい斬り倒していつでも出れますけどねー。


と思ったのは内緒にしておこう。





「……。」



弱まることもなく振り続ける雨。


身体が濡れたことで流石に寒くなってくる。



根拠はない予想と直感では今日帰って来るはずだと、謎の自信があるので。



私は、じっと待っていました。