(一)この世界ごと愛したい





それから私は、せっせと部屋を必要最低限片付け、キッチンだけは敢えて使った形跡を残し。


シャワーを浴びて。



概ね戦略は固まっているものの無意識に駒を触ってみる。


駒を触りながら、また机に突っ伏したまま眠ってしまった私。





結局この日るうは帰って来なかった。







翌日、窓を叩く雨の音で私は目を開ける。




「…いったー…。」



変な体制で寝てしまったために、体が少し痛む。


その身体を伸ばしつつ立ち上がる。



今日の空は大きな雨雲に覆われていて、大粒の雨が地面に叩き付けられている。





「るう大丈夫かなー。」



るうがくれたピアスに思わず触れる。


いただいたお誕生日プレゼントは、しっかり忘れず装着済みでございます。





「よし!迎えに行こう!」



私は王宮の入り口までではあるが、入り口でるうの帰りを待つことを決めた。





「すみません、傘ってお借り出来ます?」


「こんな大雨の中、御用があるなら私が参りますよ。」


「いえ、人を待ちたいだけなので。」


「お風邪を引かれませんよう、お気を付けくださいね?」



どうぞと、メイドさんが傘を借してくれた。


お礼を伝えて傘を差して王宮の入り口を目指した。