(一)この世界ごと愛したい






「驚いた。」


「え?」


「この世界に、アキトより馬鹿な人間っていたんだね。」




コイツ、本当失礼!!!





「で、どっち?」


「…恩賞全ては確かに魅力的な話だね。」


「……。」


「じゃあさ、一つだけ質問だけしていい?」



答えてくれたら協力すると、ようやくトキが折れてくれた。


金と質問で解決するなら安いもんだ。




「うん、何?」













「あんた、結局誰が好きなの?」





誰が、好き?






「…んー…。」


「え?難しい?」


「難しい…と言うか。」



誰が好きかって、一人だけだよね?


好きって、それはたぶん人としてじゃなくて、恋愛特有の感情でってことだよね?




「恋愛云々の話だよね?」


「当たり前じゃん。」






うーん。



だとしたら…。













「誰も好きじゃない。」