「れん…おはよ。」
「うん、おはよう。」
そして、どうか離しておくれ。
寝起きの私は無能で非力なので、抗うことも出来ずにいます。
「…人生で今が一番幸せかもしれない。」
そんな寂しいこと言うな。
きっとまだまだこれからいいことあるって。
「んー。」
「まだ眠そうだね。」
「…今、何時?」
「もうすぐお昼過ぎるかな。」
あー。もうそんな時間か。
…って、はあっ!?
時間を理解した私の目はパッチリと開く。
「なんでもっと早く起こしてくれないの!?」
「君の寝顔が可愛くて、つい。」
「ついじゃない!可愛くない!今日はヨーク将軍との打合せがある!どうしよう!?」
確かお昼からだったはず。
急げば間に合う…のか?
「ちょっと私急ぐから!またねっ!」
猛ダッシュで私は自分の部屋へ戻り、まず普段着に着替え、あれやこれやと資料を準備して。
大慌てでヨーク将軍の待つ場所へ向かった。

