レンの腕が解かれて、私は自由になった。



と…思ったけど。





気付けば仰向けになった私の上に、レンの顔があって。





要は私の上にレンが馬乗りになっている。



そんな体勢。








「…君にも非がある。でも実質きっと俺が悪い。」


「…?」


「だから、嫌だったら思いっきり殴って。」





そう言ったのを最後に。




レンの唇が、私の唇に触れる。







…嫌だったら殴ってって。













嫌じゃなかったら、どうすればいいんだろう。









「…姫?」




この先は、もう覚えていません。






あまりに色々ありすぎた今日という一日。



また、今日までの準備期間。





私の疲れの限界は、とうに通り越していて。








「本当に、寝てる。」





静かに、目を瞑ったタイミングと同時に私の意識は夢の世界へ飛び立ちました。