えーっと。
じゃあ私はどうすれば…?
このまま寝ちゃう?
「……。」
「……。」
もうなーんにも喋ることもないし。
離してもくれそうにないし。
…寝よう。
「君は面白いね。」
「なにが?」
「警戒心があるのかないのか分からない。」
私にだって分かりません。
「私もう寝ます。」
「ふはっ…!」
「なんで笑うの!?」
「夫婦になった人たちが、初夜を過ごすこの場所で寝ますって宣言されたのが面白くて。」
……っ!!!
ようやくこの場所のことを理解しました。
そういうことね!?ソウイウコトなのね!?
だからか!だからあのメイドさん、うふふって笑ってたのか!!!
「ま、待って!ごめん私知らなくてっ…!」
とにかくレンから一度離れようと、レンの胸を押すがびくともしなくて。
「大丈夫だよ。」
「へ?」
「なにもしない。約束する。」
そう言われたことで、若干落ち着く私の素直な心。
あ、焦った…!!!
まさかこんなところにこんな罠があったとは。
「顔、真っ赤だね。」
「っ!!!」
「あー。可愛すぎて約束守れなかったらごめんね。」
ごめんねで許されることじゃないと思います。
私の心臓が騒がしく鳴る。
落ち着け、落ち着け。
大丈夫。何かあったって、私なら切り抜けられる。大丈夫大丈夫。

