(一)この世界ごと愛したい






「…あの、ここは?」


「離宮でございます。レン王子が既にお待ちだと思いますので、どうぞごゆっくり。」



うふふ。


と笑ってメイドさんは去っていった。




え?ここで寝ろってこと?


私は状況を整理すべく、覚束ない記憶を辿る。




『離宮に泊まりに行くんだけど。』


『誰と?』


『姫と。』




あーなんかレンが言ってたかも?


離宮がどうとかって、これのことか。



思い出してスッキリした私は、とりあえずその離宮とやらに入ることにした。





「…姫、お疲れ様。」


「おつかれー。」



中には言われた通り、レンが既にいた。


何だか薄暗く異様な雰囲気の部屋だからか、変な感じはするけども。




「…?」



部屋には既に一組の布団の準備がある。


元々二人で泊まるって分かっていただろうに、準備した人間違えたのかな。



けどそんなことより何より、もう疲れがピークの私は気にせずごろんと横になる。




「…そうなるよね。」


「えー?」


「ううん、姫はゆっくり寝てて。」


「レンは寝ないのー?」



私一人でお布団独占したりしませんよ。


今日と言う日は、きっとレンだって相当疲れたはずだ。





「…うーん。」


「もしかしてレンも一人で寝たい派?」


「一人で、と言うか…俺もって?」


「なんかアキトもそんなこと気にしてたなーと思って。」