何!?じゃあこのまま聞くの!?
「確かにレンに姫は勿体ない。私なら、姫を誰の目にも触れぬよう包み隠し私だけの姫にする。」
「兄上にこんなに想ってもらい、姫は幸せですね。」
それのどこが幸せなのか教えて下さい。
最早どこからつっこめばいいのかも分からんよ。
「姫、そろそろ戻る?」
おーい。
レンさん、言われっぱなしでいいのかい!?
私はイライラしてますけど!?
「…はい。」
とりあえず返事をして席を立とうとしたんだけど、阿呆な王子二人は尚も続ける。
「姫も気の毒に。こんな負け犬に嫁がされて。」
「問題ないよ。そんな姫を私がこれから救い出す。今だけの幸せを噛み締めておけよ、レン。」
まだ黙ってるつもりかと、私はレンをチラッと見る。
レンは悲しそうでも怒っているわけでもなく。それが当たり前かのように静かに聞いている。
…これが、レンの日常なのか。
「……お言葉ですが。」
立ち上がり声を上げた私を、ギョッとして見上げるレン。
レンが何も言わないので私が言います!!!
「私はレン様ほど優しく聡明な方を知りません。陛下が指名されなくとも、私は迷いなくレン様を選びます。侮辱するのは金輪際お止めください。不愉快です。」

