「素敵ですわ!姫様は愛されていらっしゃいますね!」
スーザン妻、今は黙ってくれ!?
「き、恐縮…です。」
「若さとは眩しいな!私もあと十年ばかり若ければ姫を娶りたかった!」
酒飲みすぎて本音出てるぞ、陛下。
そして頼むから王妃の前で嘘でもそんなこと言うな!?
「あなた、飲み過ぎです。そろそろお暇いたしましょう?」
「む…。確かに今宵は若き二人の夜だ。そろそろ引き上げよう。」
おお、有り難い!
私もこの空気から早く脱したいと思ってました!!!
「陛下、王妃様。本日は素敵な一日をありがとうございました。ごゆっくりお休みくださいませ。」
「ああ。姫、またゆっくり会おう。」
ゆっくり会うのは御免です。すみません。
こうして、お開きになった食事会。
のはずが。
「兄上。よもやレンに戦とは、面白い賭けを思い付くその頭脳さすがとしか言えません。」
「姫を手中に収めるためだ。これくらいわけはない。」
「姫は兄上にこそ相応しい。」
「無論だ。私以外姫を幸せにすることなど出来はしないよ。」
なんかまだ飲み続けてる奴等がいるけど。
これもう帰っていいんだよね???
「あらスーザン様。初夜にそんなことを言ってはレン王子が可哀想です!」
「いいんだよ。どうせただの落ちこぼれだ。姫をこんな奴に当てがうなんて父上はどうかしている。」
…落ちこぼれ?
私が反論しようと席を立とうとするが、レンが私の手を掴み首を横に振る。
相手にするなと言っているようだった。

