そんな私たちを見て、ここまで押し黙っていた王妃が口を開いた。
「まあ、仲がよろしいようで。」
この王妃。
セザール国に入って間もない時と、そして婚儀の時と、何度か挨拶程度の言葉を交わした。
私はあまり良い印象がない。
どこか私を…というかレンを見下しているような、そんな印象がある。
「戦を知らない王子と、戦神の姫。仲が良くて何よりですわ?」
…何が言いたいのかさっぱりわからん。
「王妃様もご健在で何よりです。」
「あなたに心配される覚えはありません。」
レンは突っぱねられてしまう。
この王妃の扱い難しすぎる。
話を変えた方が得策かと判断した私は、陛下へ声を掛ける。
「陛下、本日の宴に家族をお招きいただきありがとうございます。」
「姫が連れ去られることがないよう手は回した。そなたが私の元を離れんなら構わん。」
衛兵の多さで気付いていましたとも。
逃してなるものかという陛下の圧がすごかったですよ。
そんな話をしているうちに、スーザン夫妻が到着し本日最後の食事会が催された。

