(一)この世界ごと愛したい




ジジイとるうが言い合いをしてる間に、私はアルと二人で少し話した。



「アルお勉強してる?」


「してるよ!前にパパに言われた通り、剣の練習も始めたんだ!」


「そうなの?」


「うん!お兄ちゃんとお姉ちゃんの弟だからね!僕はきっと強くなれると思うんだー!」



…確かに!!!


この流れで行くと、アルはきっと物凄い武将になれる気がする!!!



「うんうん!私も帰ったら練習付き合うね!」


「ほんとっ!?」


「もちろんほんとだよー!」





「…約束、だからね?」




目を潤ませて泣くのを我慢して。


もうそれだけでアルは充分強い子だよ。




そんなアルを、私はぎゅっと抱きしめる。







「絶対に帰る!約束するっ!」


「うんっ!」




私とアルは二人で笑い合った。