(一)この世界ごと愛したい





「マ、ママ。私が面倒だからいらないって断ったの。ごめん。」


「ルイ、誰でもいいからお呼びなさい。」


「いやいや!誰かいると落ち着かないし!ちゃんと食べる!何とかするから許して!」



頭をぺこりと下げて頼み込むと、ママは渋々と引き下がる。




「…あんまり心配させないで?」


「ごめんなさい。」


「お姉ちゃん、ちゃんと食べてね?ちゃんと元気で帰って来て?」


「うん、絶対元気に帰る!」



るうはまだ納得してなさそうだけども。


あまり時間もないと言うことで、私も一緒に王宮の入口まで向かう。





「ジジイは?」


「もう馬車に乗せて来た。」


「リン、そんな呼び方しないの。ハルの大事な先生なんだから。」



じゃあレンは部屋に戻ったのかな。



ママに会わせずに済みそうだと、心のどこかでホッとしている。





が、しかし。



ジジイが乗る馬車の近くに、レンが立ってるのが見えた。


こんなとこで喋ってたの!?




「あら、あなたは…」


「初めまして、アレンデール王妃。」


「娘が大変お世話になっております。息子のアルです。丁度ご挨拶したいと思っておりました。」



うわー…会っちゃったよ。



そう思ったのも束の間、ママはレンと二人で話がしたいと言い出した。


私とアル、そしてるうはこの場に取り残された。







「あ、そうだ。」


「んー?」



そんな時、るうが何か思い立つ。








「誕生日おめでとう。」


「えっ?」



そう言って渡された、小さな箱。