(一)この世界ごと愛したい





再び会場へ入るなり、拍手喝采。



息を呑む者、顔を赤くする者、呆然と見惚れる者、好奇の目で凝視する者。





あーもうお好きにどうぞ。


今日の私は既に諦めの境地に立っています。





そして残りの挨拶回りを済ませて、私はレンと再び見せ物台に登って来た。



…疲れたー。



でもやるべき事は終えたし!もう私はここから一切動きません!





上からただこの賑やかな宴を見下ろす。




「あ、アキトだ。」


「本当だ。眠そうにしてるね。」


「…怒られてる。」


「あれが君が会いたがってたトキだよ。」



周りに衛兵はいるんだけど、聞こえないくらいのボリュームで話す私とレン。




アキトを怒っている軍師のトキさん。


アキトの横にいるからか、少し小柄に見える美少年だ。軍服を着ているから男の子だと分かるけど、そうじゃなければ女の子に見えなくもない。



終わったら会いに行ってみようかなと、密かに企む。






そして、ふと…今会場に到着したと思われる数人の人が歩いて来るのが見える。



こんな時間に到着する人もいるんだなーと。


挨拶行かなきゃ行けない人だったらどうしようかなーと。




そんな思いで、私は見ていたんだけど。


近付くにつれて、その人達が誰なのかハッキリ判別出来るようになる。









「っ!!!」





るう!?






と、ママとアル!?!?