(一)この世界ごと愛したい





滞りなく式典を終え。



私はすぐにメイドさんたちに回収され、着物だったりお化粧だったり崩れたところを正される。



まさに早業だ。



そして息を吐く暇もなく、すぐに昼食を兼ねた宴会会場へ。


俗に言う披露宴的な宴です。




会場は式典とは比べ物にならないほどの人で溢れており、ほとんどの人間に好奇の目を向けられ私は既にげんなりしている。





「あれが戦神と名高い姫か…!」


「妖の如き美しさだ。」


「セザールが羨ましいな。」




この場にいる人たちは、セザールを含めた各国のお偉いさんたちなんだろうな。




煌めく華やかな披露宴かと思えば、意外とそうでもない負の感情が至る所で感じられる。



セザールに対する憎しみ、怒り、妬み。



色んな感情が渦巻くこの場所が、渦中にいる私にはとても不快で仕方ない。






…てか、妖は悪口だよね!?


そう思い不機嫌が滲み出て、思わずぶすっとする私を隣のレンが笑ってる。




「笑わないで。」


「大丈夫だよ。君は世界一可愛いから。」


「なっ…!」



誰にも聞こえないよう、二人で会話するけど。


レンが唐突に褒めるから私は驚く。




そこから宴会が始まり、私とレンはこの見せ物台みたいな高い場所から降りて各所の挨拶へ回る。