滞りなく式典を終え。
私はすぐにメイドさん達に回収され、着物だったりお化粧だったり崩れたところを正される。
まさに早業だ。
そして息を吐く暇もなく、すぐに昼食を兼ねた宴会会場へ。
俗に言う披露宴的な宴です。
会場は式典とは比べ物にならない程の人で溢れており、殆どの人間に好奇の目を向けられ私は既にげんなりしている。
「あれが戦神と名高い姫か。」
「妖の如き美しさだな。」
「セザールが憎い。」
「こちらも戦で奪い取るか。」
「アレンデールが隠し続けた姫だ。」
「是非我が国に欲しい。」
この場にいる人達は、セザールを含めた各国の王族や重役だろう。
煌めく華やかな披露宴かと思えば、意外とそうでもない醜い負の感情が至る所で感じられる。
憎しみ、怒り、妬み。
そんな感情が渦巻くこの場所が、渦中にいる私にはとても不快で仕方ない。
…てか、妖は悪口だよね。
そう思い不機嫌が滲み出て、思わずぶすっとする私を隣のレンが笑う。
「笑わないで。」
「大丈夫だよ、君は世界一可愛いから。」
「っ…。」
誰にも聞こえないよう二人で会話する中、レンが唐突に褒めるから私は居た堪れない。
間も開けず宴が始まり、私とレンはこの見せ物台の様な高い場所から降りて各所の挨拶へ回る。

